WordPressは、ブログなどを簡単に作ることのできるオープンソース(誰でもコードを見ることができる)のソフトウェアです。CMS(コンテンツマネージメントシステム)の一種です。レンタルサーバーなどを借りると簡単にインストールできたりしますが、今回はそのようなものを一切使わずにインストールする方法を説明します。
レンタルサーバーからインストール
GUIとはGraphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)の略です。WindowsやMacなどはこれにあたります。直感的にユーザーが操作することのできるためこの名前がつけられています。
ステップ1 動作環境の確認
まず、WordPressの動作環境に合っているか確認します。WordPressに必要(推奨)なのは次のものです。
- PHP7.4(古いものでも動作はする場合がありますが、圧倒的な速さの違いや安全性から7.4を選びましょう。)
- MySQL5.6もしくはMariaDB10.1以上(これらはデータベースを管理するのに必要です。WordPressはデータベースがほとんどです。)
- Webサーバー(ApacheやNginxなど)
ちなみにraspiブログではLinux系のWebサーバーの立て方とWordPressのインストールの仕方も紹介しています。
https://raspiblog.com/server/663/
「RaspberryPiにApache2とPHPをインストールする」
先ほどの要件で、バージョンが出てきましたが、最新のものを使用するようにしましょう。これらのものは更新をするごとに新たな脆弱性に対応していきます。
ステップ2 WordPress本体のダウンロード
WordPressの公式サイトからWordPressをダウンロードしましょう。これは使っているパソコンで大丈夫です。(自分のパソコンからファイルをサーバーにアップロードできるか確認しておいてください。)
https://ja.wordpress.org/download/
「WordPress 5.5.3 をダウンロード」をクリックしてダウンロードしてください。バージョンはどんどん新しくなります。
ダウンロードしたzipファイルをサーバーにアップロードします。サーバー上で解凍をします。解凍の仕方はレンタルサーバーによって違うので各自で確認してください。解凍を終えたら、データベースを作成します。データベースの作成の仕方も各社によって異なるのでご自身で作成してください。
ステップ3 WordPressのインストールの完了
まず、データベースの名前とパスワードを事前に調べておきます。そうしたら、WordPressをインストールしたアドレスにアクセスします。すると、このような画面になります。

作ったデータベースの名前とユーザー名とパスワードを入力します。テーブル接頭辞は、セキュリティーを強くするために変えておきましょう。
全てが終わったら送信をクリックします。成功すると、WordPressをインストールのボタンが表示されるのでそれをクリックしてWordPressのインストールを完了させます。この後にWordPressのユーザーを作ります。案内通りに進めてください。
コマンドからインストール
VPSなどや自分で作っているサーバーなどだと、FTPなどより、コマンドから直接操作をした方が簡単にインストールできます。サーバーの管理者権限と、Linuxがインストールされていることを確認してください。ここでは、Ubuntuのサーバーを例として使用します。
- サーバーの管理者権限がある。
- Linuxがインストールされている。(今回はUbuntuを例とします。)
- ApacheなどのWebサーバーがインストールされている。
- PHPが使用可能。
- データベースが使用可能。
- 今回は、サーバーの公開用フォルダーを「/var/www/html」とします。(Apacheの初期設定)
ステップ1 WordPress本体のダウンロード
まず、コマンドで公開用フォルダーに移動します。
~$ cd /var/www/html
ちなみにcdコマンドについてはraspiブログで詳しく説明しています。
そこで、WordPressをダウンロードします。wgetというコマンドを使います。
~$ sudo wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz ~$ sudo tar xzf latest-ja.tar.gz ~$ sudo mv wordpress/* . ~$ sudo rm -rf wordpress latest-ja.tar.gz
tarコマンドで展開をして、wordpressというディレクトリに全てのファイルが入っているので、それを/var/www/htmlに移します。その後、何も入っていないwordpressのディレクトリと、latest-ja.tar.gzを削除します。sudoという管理者権限で行うかrootのユーザーで作業をしないとこの操作ができません。
次にデータベースの作成です。
ステップ2 データベースの作成
データベースの作成のコマンド上で行うことができます。この操作にも管理者権限が必要となります。
~$ sudo mysql
このようなプロンプトが返ってきたらmysqlを使用できます。exitで閉じることができます。
MariaDB [(none)]>
このように入力してください。
MariaDB [(none)]> create database wordpress; MariaDB [(none)]> CREATE USER 'wordpress'@'localhost' IDENTIFIED BY 'password'; MariaDB [(none)]> use mysql; MariaDB [(none)]> select user,password,plugin from user; MariaDB [(none)]> exit; //もう一度入って、 ~$ sudo mysql MariaDB [(none)]>GRANT ALL on wordpress.* TO 'wordpress'@'localhost' IDENTIFIED BY 'password'; MariaDB [(none)]>exit
create databaseでまずwordpressというデータベースを作成します。その後、create user でwordpressというユーザーをpasswordというパスワードで作成します。use mysqlでデータベースを変更します。この後のGRANT ALLで、wordpressというユーザーにpasswordというパスワードでwordpressというデータベースの権限を渡します。exitでMysql、MariaDBを閉じます。ややこしいですがこれでデータベースの設定は完了です。この後はレンタルサーバーのデータベースのWordPressの設定と同じです。
お疲れ様でした。